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減衰力調整

今日、近くのワインディングに行って減衰力を変化させながら乗り比べて来ました。
SPAXのコイルオーバーは前後とも28段階!の調整ができるのですが、そんなにあっても実際には大胆に変化させなければ特性が判らないので、初めは最弱、次に半分の14段、最後に最強の28段で乗り比べました。
最弱でスタートしましたが、減衰は最弱でもバネレートは標準の倍の6kg以上になっていますので、純正の状態とは踏ん張りが違います。スタビライザーも強化したのでロール感はまるでありません。
車体がロールしないので、コーナーではシートにお尻の骨が沈み込む感触があります。
ロールが減って荷重が左右のタイヤに分散し、外輪への負担が減った性でしょうか、タイヤが鳴き始めるコーナースピードが純正よりも明らかに上がっています。さらに以前は外輪が捻じれるような感覚でタイヤが悲鳴を上げたのですが、今は横方向のグリップ限界を超えそうになる為の悲鳴に聞こえます。あくまでも感覚ですが、タイヤが潰れて鳴くのでは無く、横にずれることによる鳴きのような気がしました。
これはこれでかなり良い感じでサスのバランスとしては充分ではないかと思いましたが、さらに減衰力を高めて同じコースを試走しました。
14段(中間)まで減衰を上げたところ、困った挙動を示すようになりました。それは、路面の微妙な上下のウネリにバネの固有振動が同調してしまうかのようで、ウネリがまともに車体を上下に揺らすのです。減衰が最弱でバネが動きやすい時には、吸収していたと思われるうねりを拾ってしまうようです。なんとも運転しにくいバランスでした。
最後に減衰力を最強にして再び同じコースを走ると、ウネリは中間よりも弱くなりましたが、それでも最弱よりはピッチングが大きい感じです。ハンドリングはシビアさを増しスピードを出せば出すほどピッチングと相まってライン取りに気を使う必要が出てきました。その鋭さは面白さを越して神経質と言えるかも知れません。
それでもピッチングさえなければ、シビアなハンドリングは充分に楽しいと思います。

結局、今日の減衰力を変化させた乗り比べで判ったことは、減衰力の調整としては狙いとするスピードと、路面の具合により最適であろうと思う減衰力を決定する必要があるのだということす。
乗りやすかったのは減衰力を最弱にした状態ですが、サーキットのようにタイムを争った場合必ずしも乗りやすさイコールタイムではないだろうと思います。中間の減衰では今日のコースにあっていないと感じました。
完全に限界まで攻めるような走りの場合にはやはり減衰を上げる必要があるのかもしれません。

試しに、減衰力最強のまま街中を通って帰ってきたのですが、さすがにマンホールや舗装の継ぎ目の段差が厳しくこのままでは家族の理解が得られないと思い、自宅に着いてから減衰は最弱に戻しました。
SPAXは主にサーキットを狙ったサスキットと言われていますが、このセットを使う場合、街中での減衰力は最弱しか考えられません。減衰力を強くしても凹凸の多い街中ではまるでメリットが無いからです。
ちょっとした峠でも減衰は最弱で良いような気がします。やはり減衰力を高めてメリットが出るのは路面の良いサーキットで、コーナーでのロールタイミングの制御などで本領を発揮するのかも知れません。

幸いなことにSPAXのサスは前後とも本当に簡単に減衰力を調整できます。道端に止めてボンネットを上げてカチカチ、車の下に手を差し込んで素手でカチカチ、わずか1分足らずで調整完了。これは本当に便利です。
サーキットに行っても、数週回る毎に調整してすぐに走り出せるでしょう。

最後にSPAXのサスをかなり褒めていますが、実際には不満点もかなりあります。
最大の不満点は「スムーズさと高級感が無い」ということです。
平坦な路面をまっすぐ走る分には良いのですが、ギャップを拾った際にかなり大きな異音を出します。
「ゴトッ、ゴツッ、グシュ」という低級な音と振動は、その乗り心地と共にかなりのマイナス点です。
私のようにMINIのコーナリング速度を高めるために、堅い足周りを求めるのであればそれなりに納得できるかも知れませんが、最近の風潮である「かっこよく車高を落として乗り心地を良くする」なんて要求であれば、SPAXは絶対にお奨めできない車高調であるといえます。
by kan2_mini | 2006-04-16 01:18
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